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再エネ100%を、環境対策だけでなく、製造業の新たな競争力へ。

製造業
中堅・中小企業
【事例公開】再エネ100%を、製造業の新たな競争力に。
課題
高い加工技術を持ちながらも、受託製造では価格が比較の中心となりやすく、競合他社との差別化や新規取引先の開拓に課題を抱えていた。
解決策
デンキチェックを活用して複数の電力会社と再エネプランを比較し、自社の使用状況に合った再エネ100%電力へ切り替えた。

日本のものづくりを支える製造業。その最前線で、半世紀以上にわたり精密金属加工の技術を磨き続けてきた株式会社ルミナが、未来を見据えた新たな一歩を踏み出しました。

同社は「デンキチェック」を活用し、工場で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えました。

その背景にあったのは、単なる環境配慮だけではありません。製造業が直面する価格競争から脱却し、技術力に加えた新たな企業価値をつくるという、戦略的な経営判断でした。

今回は、再エネ100%電力への切り替えを決断した背景や、デンキチェックを利用した理由、今後の展望について、株式会社ルミナの佐々木恭平社長にお話を伺いました。

半世紀以上の歴史を持つ、精密加工のプロフェッショナル

1966年に東京・品川で創業した株式会社ルミナは、金属や非金属、樹脂の精密切削加工部品をはじめ、車載センサーなどのアセンブリ品を製造する、ものづくりのプロフェッショナルです。

現在は国内だけでなく、秋田県大仙市に「株式会社秋田ルミナ」、インドネシアに「PT.TOKYO LUMINA INDONESIA」を構え、グローバルに事業を展開しています。

同社の強みは、長年にわたり培ってきた高い加工技術と、多様なニーズに対応できる生産体制にあります。

幅広い製品に対応する切削加工技術

直径2mmから200mmまでの製品加工に対応し、単品の試作から数万個単位の量産まで、幅広い生産ニーズに応えています。

CNC旋盤やマシニングセンタなどの設備を活用し、鍛造品やプレス品への穴あけ、ネジ切りなどの加工にも対応。特に、直径60mm以下の小径製品における精密加工技術は、長年の経験によって培われた同社の中核技術です。

クリーンな環境でのアセンブリ

エンジンの燃料、オイル、エアクリーナーなどに使用される各種センサーや、産業機械用のオイルフィルターなどの製造・組立も行っています。

組立工程は加工工場とは別棟に設けられたクリーンな環境で行われ、高い品質水準を維持しています。

プレス加工や溶接にも対応

110トンまでの小・中型クランクプレス機を保有し、産業機械部品や自動車部品のプレス加工にも対応しています。

また、TIG溶接機を活用した薄肉ステンレスパイプの溶接など、切削加工にとどまらない幅広い技術と設備を備えています。

品質保証にも力を入れており、株式会社ルミナはISO9001、株式会社秋田ルミナはISO9001およびISO14001の認証を取得しています。こうした品質管理体制と技術力が、多くの取引先からの信頼につながっています。

技術力だけでは乗り越えられない「価格競争」という課題

確かな技術基盤と生産体制を持つルミナですが、多くの製造業と同様に、業界全体が直面する構造的な課題に危機感を抱いていました。

それが、技術力だけでは乗り越えることが難しい「価格競争」です。

受託加工では、各社が高い技術力を持っているからこそ、最終的に価格が比較の中心になってしまうことがあります。

佐々木社長は、再エネ導入を検討した背景について次のように語ります。

「受託加工の場合、どうしても価格競争になってしまいます。技術力はもちろん重要ですが、それだけで勝ち続けるのは難しいと感じています。

そこで、競合他社と同じ価格で並んだときに、価格以外の価値で選ばれる理由が必要だと考えました。

当社では機械を動かすために多くの電気を使用しています。その電気をCO₂排出ゼロのものに変えることで、会社としての新しい『売り』をつくれるのではないかと思いました」

ルミナにとって再エネ100%電力への切り替えは、単なる環境対策ではありません。

価格だけで比較される状況から一歩抜け出し、技術力に新たな付加価値を加えるための経営戦略だったのです。

東京都品川区の実証事業をきっかけに「デンキチェック」を利用

再エネ100%電力への切り替えを検討する一方で、課題となったのが電力会社とプランの選定でした。

電力会社によって料金体系や契約条件、再生可能エネルギーの調達方法は異なります。数多くのプランの中から、自社に適したものを選ぶことは簡単ではありません。

そこでルミナが活用したのが、東京都の事業をきっかけに知った、AI電気診断サービス「デンキチェック」です。

デンキチェックでは、現在の電気料金や使用状況を確認したうえで、複数の電力会社から見積もりを取得し、料金や契約条件、再エネ対応の内容を横断的に比較します。

ルミナはデンキチェックを通じて、自社の電力使用状況に合った再エネ100%の電力プランを比較・検討しました。

客観的なデータをもとに複数の選択肢を確認できたことで、納得感を持って電力会社を選定し、2026年4月から再エネ100%電力への切り替えを実現しました。

本実証実験は、ウェルビーイング・SDGs推進ファンドの選定事業です。(実施主体:ウェルビーイング・SDGs推進事業実行委員会)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000218.000087362.html

再エネを採用活動や新規顧客開拓の強みに

再エネ100%への切り替えによって期待している効果は、取引先へのアピールだけではありません。

近年は、就職先を選ぶ際に、企業の環境への姿勢や社会的な取り組みを重視する若い世代も増えています。

佐々木社長は、採用活動への効果について次のように期待を寄せます。

「最近は、高校生などが就職活動をする際に、企業が環境に配慮しているかどうかを重視するという話を聞いています。今回の取り組みが、採用面でも良い影響につながればと考えています」

製造業にとって、若い人材の確保は重要な経営課題です。

再エネ100%電力の導入は、環境に配慮した会社としての姿勢を社外へ伝え、採用競争力の向上につながる可能性があります。

また、ルミナでは現在、旋盤加工を中心に新規取引先の開拓にも力を入れています。

「現在、旋盤加工の新規取引先を開拓しています。営業活動の中で、再エネ100%の電気を使って製品をつくっていることが、当社の売りの一つになり、新しい取引につながればと期待しています」

取引先にとっても、サプライチェーン全体でのCO₂排出量削減は重要な課題となっています。

再エネ100%の電力を使用するルミナに製造を依頼することで、取引先にとっても、自社製品に関わるCO₂排出量の削減につながる可能性があります。

環境への取り組みは、単なる企業イメージの向上にとどまらず、新たな顧客から選ばれる理由の一つになりつつあります。

「技術と環境の融合」で、さらなる事業拡大を目指す

半世紀以上にわたり培ってきた精密加工技術に、再エネ100%という新たな価値を加えたルミナ。

佐々木社長は、今後の展望について次のように語ります。

「当社が長年培ってきたNC旋盤による金属加工技術は、お客様から高い評価をいただいています。

これからは、その技術力と環境への取り組みを融合させることで、事業をさらに広げていきたいと考えています」

技術力と環境対応を組み合わせることで、価格だけではない新たな競争力をつくる。

再エネ100%電力への切り替えは、ルミナにとって、採用力の強化や新規顧客の開拓、企業価値の向上につながる新たな一歩となりました。

まとめ

株式会社ルミナの取り組みは、再生可能エネルギーへの切り替えが、製造業にとって環境対策だけでなく、経営戦略にもなり得ることを示しています。

製造業では、長年培ってきた技術力を持ちながらも、価格競争から抜け出せないという課題を抱える企業が少なくありません。

ルミナは、デンキチェックを活用して複数の電力会社やプランを比較し、自社に合った再エネ100%電力を選択しました。

その結果、電力の切り替えを通じて、環境に配慮した企業としての新たな価値を生み出しています。

技術力に環境価値を加え、取引先や求職者から選ばれる企業を目指すルミナの挑戦は、同じような課題を抱える製造業にとって、大きなヒントになるのではないでしょうか。

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